最近のメーカーパソコンについて思うこと・・・
(その1)



最近、メーカー製パソコンを買った人からのセットアップ(というより、微調整?)依頼が数件あったの
だが・・・
とりあえず、持ち込まれてきたパソコンの電源を入れる・・・・・・・・・・・
遅い・・・遅い・・・ とにかく遅い!!

まず、電源を入れてからウィンドウズが起動して使えるようになるまでがとんでもなく遅いのだ。

極端な例では、5分くらいかかってやっと起動する・・なんてこともある。
カップラーメンが完全にでき上がって、さらに麺がノビノビでクソ不味くなってしまうくらい時間が

かかっているのだ。

そんなマシンでも、脳ミソは、ペンティアム2/3もしくはセレロンを搭載している。
でも、うちに
ある、MMXペンティアム166MHzのパソコンよりも遅いのである。
モンスターCPUを搭載していながら、もう引退寸前のCPUのマシンに負けているのだ。
これ、本当にペンティアム3積んでるの?? 386マシンじゃないの?? と疑いたくなるくらいだ。

こんなに遅くなる原因は・・というと、その殆どが、くだらない常駐ソフトのせいなのだ。
マウスカーソルがアニメーションしたりソフトのランチャーみたいのが入っていたり変なメディア

ステーションみたいのが入っていたり・・・・

これらの常駐ソフトは、そのメーカーの宣伝的要素が非常に強い造りになっている物が多い。メーカーの
誇示ソフトのために、メモリやCPUリソースが食い潰されているのだ。
こういった常駐ソフトも、本当に初心者の人にとっては、最初のうちは、確かに便利なものなのかもしれ

ない。しかし、ちょっと慣れてくると、一転、邪魔なことこの上ないシロモノになってしまう。




さて・・・イライラしたあげく、なんとかかんとかウィンドウズが起動し使えるようになる。
新たに、必要なフリーのアプリをインストしていく。試験的にアプリを実行する・・・ありゃ???

なんだか動きが変。できるはずのことができないのだ。これも常駐ソフトが原因なことはわかっているの
だが、どれが原因なのか特定するのは非常に面倒だ。
とんでもなく遅いし相性悪いから、いらない常駐ソフトを外すように所有者に勧める。

所有者に確認を取りながら、常駐ソフトや不要アプリを片っ端からアンインストしていく・・・

しかし、なんでユーザーがこんな面倒な作業をしなくちゃならないんだ??

こんなんじゃ、ウィンドウズを最初からインストしてしまった方が早い・・・と思いきや、そうは問屋が
卸してくれない。数年前から、メーカーPCには、ウィンドウズのセットアップCDが付属していないの

だ。じゃぁ、何が付属している?・・もう皆さんも既にご存じのことだろう。
殆どの場合、ウィンドウズのセットアップCDの代わりに、
「リカバリCD」なるものが付属している。
これがなかなかのクセモノで、ユーザーの環境にあわせて適切にセットアップを行う道を完全に閉ざし
てくれているのだ。OSの選択やHDDのパーティション設定からして、殆どユーザーの自由にはなら

ない。
さらに、いらない常駐ソフトやアプリもそのまま丸ごと書き戻してくれる。まったく余計なお世話であ
る。
市販のウィンドウズを買ってきてそれを入れればいいか?というと、そうもいかない。
そう、
デバイスドライバが無いのだ。運がよければ、チップメーカーのサイトにあるドライバが
流用できる場合もあるが、探すのにとんでもなく手間がかかる。
リカバリCDからドライバを探そうとしたら、ファイルはZIP圧縮されていて、解凍しようとしたら、
なんと!パスワードが掛かっていたという例もあった。そこまでやるか??・・・はぁ・・
あきれて開いた口がふさがらない・・・


メーカー側は、何がなんでも、ユーザーに、メーカーが指定した通りの使い方をさせたいらしい。
これは、ある意味メーカー側の「ユーザー統制」とも受け取れる。
民主主義に反する危ない動きだ笑)

問題はこれだけではない。Win95/98のようなOSはソフトのインスト/アンインストを繰り返す
と、だんだんOS自体が不安定になってくるのだ。そして、最後にはドッカ〜ン・・となるわけである。
だから、できる限りアンインストをやりたくないのだ。そのためには、最初から必要なものだけを厳選し
てインストする必要がある。しかし、リカバリCD方式では、「不必要なもの」をアンインストしなきゃ
ならない。OSの寿命(?)を著しく短縮させてしまうわけである。

いつだったか、どこかのサイトでWindowsについて、おもしろい表現をしているのを見掛けた。
「Windows(9x系)は雑巾だ」
というのだ。だが、「まさにその通り!」 と納得するのにたいして時間は要しなかった。
使えば使うほど(アプリのインスト・アンインストを繰り返すと)ボロボロになってしまい、最後には穴
が開いてしまう・・・
ボロになって
穴が開いたらwinの「再インスト」というわけだ(笑)
だから、できる限りアンインストしたくないのだ。Winがクリーンインストできる・・・というのは
重大な意味をもっているのだ。

ただ、リカバリCDの方式も、悪い面だけではない。中には、メーカーの指定する使い方で十分事足りる
人もいる。また、パソコンを始めたばかりの人にとってウィンドウズの最初からのセットアップは難解
な部分
があるのも確かだ。
そうした人たちにとって、リカバリCD方式は手軽にパソコンを復活させてくれる救世主となっ
ているの
も事実なのだ。


ここで問題なのは、ユーザー側に選択の余地がないということなのだ。
リカバリCDによる一括復元にするのか、それとも個別にセットアップするのか、どちらか一方を選べる
ようになっていれば、全く問題はないのだ。選択肢がないから「ユーザー統制」という感じになってし
まうのだ。

なお、メーカーサイドではリカバリCD方式にする理由として、初心者に対する配慮を前面に掲げてい
るが、本当の狙いは初心者に対する配慮ではない。では何か?・・著作権である。個別セットアップ方式
にすると、ユーザーがパソコンを買い足したりした場合にソフトを流用される可能性もあるわけだが、
それを阻止したいがために、ユーザーからことごとく選択肢を奪っていくのである。つまり、メーカー側
は、ユーザーに買わせるだけ買わせて、後は自分たちの権利関係を守るためにあの手この手で制約を加
えてくるのである
しかし、メーカー側の利害など、ユーザーからすれば
どうでもいいことである。ユーザーは自分の買っ
た物が自分の目的に合うように、そして、快適に使えればそれでいいのだから・・

メーカーの意向を一方的に押しつけられたら、非常に迷惑だ。



・・・とりあえず、文句を言いながらも不要アプリや邪魔な常駐ソフトをことごとく外したところで、
再起動する・・・
今度は速い。
これまでの1/3〜1/2の時間でウィンドウズが起動する。
起動後の動きも格段に良くなっている。
初めて、CPUの真の能力が解放された感じだ。誤動作を起こしていたソフトも正常に動く。

しっかし、少しの調整で済むものと思って作業にとりかかるとこれがとんでもない目に遭う。こちらで
は、1台目にメーカーパソコンを買ってしまった人にも、2台目からは自作を勧めている。
自作すれば、メーカー側のくだらない権利主張のための制約を受けることはない。
組み立てにハンダゴテなど必要ない。ドライバーとペンチがあれば、あとは部品が揃ってさえいれば、
なんとでもなってしまうのだ。
OSもWindows95/98/NT/2000・・Linux・BSD・・・と自由に選べる。
さらに、OSをクリーンインストすることによって、安定度が向上する。その後は、自分の必要なものだ

けを入れてゆけばよい。常駐ソフトのせいで相性の問題が発生することも少なくなり、その原因を追求す
る手間も省けるので結果的に楽になると思う。

結局、
メーカーパソコンを買うとメーカー誇示のための常駐ソフトにより相性の問題を引き
起こし、原因がなかなか特定できないとか、ユーザーにとっては迷惑以外の何物でもないメーカー
の権利主張のための制限によりかえって苦労するハメになるということだ。
そもそも、パソコンとは、ユーザー一人ひとり目的も使い方も異なるのが当然な物だ。到底、画一化でき

るようなものではない。それなのに選択肢を極限まで無くしていくメーカーのやり方は、ほんとうに

理解に苦しむ。



ところで、メーカーパソコンも1995〜6年頃の物は今とは違い、手軽で使いやすい物だった。

最初から色々なアプリや常駐ソフトが付属していたが、ウィンドウズだけでクリーンインストできた
からだ。ちょうどその時期うちでも1台購入したが、最初買ってきたときは、そのまま使ってみるが、
何かのトラブルのときにウィンドウズを再インストした際に、不要な物は全て排除することができた。
今はもう壊れてしまったけど・・・


今現在、メーカーパソコンは自作するよりも、値段的には遥かに安いだろう。しかし、制約が多すぎて
アレはダメコレもダメとなってしまい、残念ながら、
ただ単に安いだけ・・・
という悲惨な状況になってしまっている。「安物買いの銭失い」ということわざそのものだ。

ここまで使い勝手が悪くなってしまったメーカーパソコンだが、どうしてもメーカー品を買うしかない

ケースがある。ノートパソコンである。
ノートパソコンは、今のところ自作したという話は殆ど聞かない。小型にするためにひとつのボード
に全機能を集約させる必要があり、ユーザーが自由に組み合わせできる余地が無いからだろう。
うちでは、ノートパソコンは1台欲しいと思ってはいるが、メーカー品しか買えないため買うのは諦め
ている。制約のせいでしなくてもいい苦労をすることが目に見えているからだ。

そーいや、この間電車の中で、隣に座った営業マン風の人がカバンからノートパソコンを取り出して
使っていたが・・・当然メーカー品のやつだが、電源入れてから使えるようになるまで5分くらいかかっ
ていた。そのまましばらく使っていたが、降りる駅が近づいてきたのだろう。ウィンドウズを終了させよ
うとしていた。しかし、なかなか終了しない・・・とうとう降りる駅に到着したようなのだが、まだ終了
しない・・・電車が止まって、ちょっとしたところで、やっと終了。その人は、ノートパソコンをカバン
にそそくさと詰め込むと、慌てて電車から降りていった・・・
ダメだこりゃぁ・・・

やはり、ノートパソコンは欲しくても買えない・・・




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